調査基準日:2026年10月10日|対象:アイルランドの語学学校Erin College(ダブリン・コーク)とLimerick Language Centre(リムリック)のILEP除外と、高等裁判所の判断
アイルランドの語学学校Erin College(ダブリン・コーク)とLimerick Language Centre(LLC、リムリック)について、2026年7月24日の不服申立て判断で、留学生の在留許可に関する対象コース一覧「ILEP(Interim List of Eligible Programmes)」からの除外が維持され、7月27日営業終了時までに除外するよう指示されました。両校は司法審査を申し立て、審理中に除外の効力を止めることも求めましたが、高等裁判所は9月16日にこの停止申立てを認めませんでした[1]。
判決原文によると、除外手続きは、ビザが下りなかった学生への返金が定められた期限内に行われなかったことを中心に進められました。停止申立ての審理では、ビザ審査中の学費を分けて保全する要件の扱いも検討されています。今回の判断は、除外決定の適法性についての最終判断ではありません[1]。本記事では、判決原文とISDの公式資料を基に経緯を整理し、LLCの閉校については学校声明を紹介した報道に帰属を明示します。
この記事のポイント
何が起きたか
| 時期 | 内容 | 出典の種類 |
|---|---|---|
| 2026年7月9日 | ILEP委員会が、期限内の返金が行われなかったことを中心に、両校を除外する意向を通知 | 判決原文[1] |
| 2026年7月24日 | 不服申立ての審査で除外を維持。7月27日営業終了時までの除外を指示 | 判決原文[1] |
| 2026年7月31日 | 両校に司法審査を申し立てる許可 | 判決原文[1] |
| 2026年8月10日 | 高等裁判所が暫定措置を認め、さらなる判断まで除外または除外扱いを停止。今後の返金・学費保全の要件順守や、外部会計士による資料の提出などを条件とする | 判決原文[1] |
| 2026年9月16日 | 高等裁判所が、司法審査の審理中に除外の効力を停止する申立てを認めない判断(10月8日公開) | 判決原文[1] |
| 2026年9月21日(報道日) | Irish Examinerが、LLCの閉校声明と、学習者保護の対象学生の転校手続きに関する案内を報道 | 学校声明の報道[4] |
7月の除外手続き、8月の暫定措置、9月の停止申立てに対する判断は、それぞれ別の段階です。9月16日の判断で、除外決定の適法性を争う司法審査本案の結論が出たわけではありません。
裁判所が示した判断
Ferriter裁判官は、両校が長期間にわたり期限内の返金を十分に行っていなかったことは認められていると指摘しました。また、代理店経由で学校が受け取った学費もビザ審査中は分別保全の対象になるとの暫定的な見解を示し、両校の扱いを問題視しています。ただし、代理店経由の学費に関する見解は今回の停止申立ての判断に限るもので、本案についての最終判断ではないと明記しています[1]。
判決が引用するILEP基準第5A節では、ビザ申請を前提に前払いされた学費は審査結果が決まるまで保全し、ビザ不許可の場合は、事前に明示された取扱手数料を除く金額を、不許可決定が学校に伝達されてから20営業日以内に返金することとされています[1][2]。裁判所は学生保護などの事情を比較し、両校の停止申立てを認めませんでした[1]。
在学中・入学予定の学生への影響
ILEPは、EEA域外の学生がアイルランドで語学コースを受けて学生として在留登録するための対象コース一覧です。日本国籍者はビザ不要ですが、90日を超えて学ぶ場合はILEPまたはTrustEd Irelandの対象コース一覧を確認する必要があります(詳しくはILEPとTrustEd Irelandの記事)。ISDが9月22日更新として公開しているILEPのExcel一覧と、10月10日に確認したTrustEd Irelandの英語教育機関一覧には、Erin CollegeとLLCの掲載はありません[3][5]。
Irish Examinerが9月21日に紹介した学校声明によると、LLCは学習者保護の対象となる在学生・入学予定者の情報を保護の提供元に渡し、別の学校への転校を調整していると説明しました。当時、手続きには最大3週間かかる見込みとしていました[4]。日本人学生が含まれているかどうかは、確認した資料には書かれていません。
公式案内で確認しておきたいこと
- 申し込み・入金の前に、学校とコースがILEPまたはTrustEd Irelandの対象一覧に載っているかを、入管当局(ISD)の公式ページで確認する[3][5]
- 入学許可書に記載された学習者保護(Learner Protection)の種類と提供元を控えておく。閉校時の転校や返金の対象条件・手続きは、それぞれの保護制度で確認する[2]
- ビザ不許可時の返金条件と期限、学費の保全方法を書面で確認する。ILEP基準第5A節では、ビザ申請を前提に前払いされた学費は、不許可決定が学校に伝達されてから20営業日以内に返金する(事前に明示された取扱手数料を除く)[2]
- 在学中の学校が閉校・除外された場合は、在留期限と登録の扱いをISDの案内で確認し、学校・学習者保護の提供元・エージェントからの連絡を記録しておく
よくある疑問
- ILEPからの除外は閉校と同じですか?
同じではありません。ILEPから除外されたコースは、その掲載を根拠に学生ビザや就学のための在留許可を申請する対象ではなくなります[2]。Irish Examinerによると、LLCは除外を理由に閉校を発表しましたが[4]、除外そのものが閉校を意味するわけではありません。
- 裁判は終わったのですか?
9月16日の判決は、司法審査の審理中に除外の効力を止めるかどうかの判断です。除外決定の適法性についての最終判断ではありません[1]。
ほかの国の閉校事例と学生保護の仕組みは、EC Englishの閉校と学生保護、ILACの閉校とeCAPでまとめています。
出典と更新履歴
- アイルランド高等裁判所「[2026] IEHC 668」判決掲載ページ・判決原文(DOCX)。判断日:2026年9月16日、公開日:10月8日、確認日:10月10日。段落2~7・20~21:除外手続きと暫定措置。段落17・29・39~42:返金期限、返金遅延、学費保全に関する暫定的な見解。段落74~75:停止申立てを認めない結論。
- ISD「English Language Programme Criteria」(2025年3月21日版、PDF)。確認日:2026年10月10日。第5A節(PDF11ページ):学習者保護、ビザ審査中の前払学費の保全、不許可決定が学校に伝達されてから20営業日以内の返金。
- ISD「A third-level course or a language course」・9月22日更新として公開されているILEP一覧(Excel)。確認日:2026年10月10日。90日を超える就学の対象一覧。ExcelのProvider欄にErin College・Limerick Language Centreの掲載がないことを確認。
- Irish Examiner「‘Difficult days’ ahead for students as language school closes in Limerick」(2026年9月21日)。確認日:2026年10月10日。LLCの閉校声明と学習者保護・転校手続きの報道。記事中の声明引用には存在しない日付「9月31日」があるため、本稿では閉校日を特定していません。
- TrustEd Ireland「English Language Education Institutions Listing」。確認日:2026年10月10日。英語教育機関の一覧にErin College・Limerick Language Centreの掲載がないことを確認。
除外手続きと裁判所の判断は判決原文、制度要件と掲載状況はISD・TrustEd Irelandの公式資料で確認しました。LLCの閉校声明は報道を通じて確認しています。掲載状況や案内は調査後に変わることがあります。
更新履歴
- 2026年10月10日:判決原文と公式一覧を確認し、除外手続きの日付、裁判の対象、返金期限を整理。LLCの閉校声明は報道への帰属を明示

