日本人学生の留学先をJASSO(日本学生支援機構)の最新調査で見ると、2024年度はアメリカ合衆国が12,627人で最多でした。オーストラリア9,329人、韓国8,360人が続きます。地域別ではアジアが40.5%を占め、欧州は人数で北米を上回りました。 [1]
この記事では、国内の大学等が把握した日本人学生の留学を対象に、国・地域別の人数、構成比、前年度からの変化、コロナ前との比較を整理します。総数の長期推移や留学期間別の内訳は、日本人の海外留学者数の推移で詳しく解説しています。
最終確認日:2026年10月6日(日本時間)|最新実績:2024年度|JASSO 2024年度調査:2026年5月公表
この統計で数えている留学の範囲
本記事の人数は、大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専修学校専門課程が把握した、各年度に海外の大学等で留学を開始した日本人学生です。大学間などの協定に基づく留学と、協定に基づかない留学の合計を使います。協定がない留学は、国内の在籍校が把握した範囲に限られます。 [1][5]
学位取得を目的とする留学に加え、単位取得、語学研修、異文化体験なども含まれます。社会人や対象校に在籍しない人、在籍校が把握していない個人手配の留学まで網羅した「日本人全体の留学先ランキング」ではありません。
| 確認する点 | 本記事での扱い |
|---|---|
| 集計期間 | 年度は4月〜翌年3月。2024年度は2024年4月1日〜2025年3月31日 |
| 人数の基準 | その年度に海外の大学等で留学を開始した学生。ある日時点で現地に在籍する学生数とは異なる |
| オンラインの扱い | 渡航前にオンラインで授業を受けた期間は対象外。現地で教育を受け始めた年月日を基準にする |
| 比較基準 | 主に2018年度と比較。2019年度は2020年3月を含むため、補足として併記 |
| 調査の継続性 | 2018年度に調査名が変更されたが、JASSOは調査項目・対象の変更はないと説明。毎年同じ学校だけを追った比較値かは確認できない |
以下の順位は、この調査で把握した人数の多い順です。満足度、安全性、費用対効果、留学先の推奨順位を表すものではありません。 [1][5][6]
2024年度の国・地域別人数は米国が最多
単位:人|2024年度|括弧内は総数91,054人に占める割合
2024年度の上位10カ国・地域。その他28,196人はグラフ外。構成比は全91,054人が分母。出典:JASSO 2024年度調査p.3
| 順位 | 国・地域 | 2023年度 | 2024年度 | 構成比 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | アメリカ合衆国 | 13,517人 | 12,627人 | 13.9% | −6.6% |
| 2 | オーストラリア | 9,163人 | 9,329人 | 10.2% | +1.8% |
| 3 | 韓国 | 8,384人 | 8,360人 | 9.2% | −0.3% |
| 4 | カナダ | 7,621人 | 6,736人 | 7.4% | −11.6% |
| 5 | 英国 | 5,037人 | 5,381人 | 5.9% | +6.8% |
| 6 | 台湾 | 5,048人 | 5,260人 | 5.8% | +4.2% |
| 7 | タイ | 4,396人 | 4,789人 | 5.3% | +8.9% |
| 8 | フィリピン | 3,200人 | 3,697人 | 4.1% | +15.5% |
| 9 | 中国 | 3,133人 | 3,615人 | 4.0% | +15.4% |
| 10 | マレーシア | 2,712人 | 3,064人 | 3.4% | +13.0% |
| — | 上記10以外 | 26,968人 | 28,196人 | 31.0% | +4.6% |
| — | 合計 | 89,179人 | 91,054人 | 100.0% | +2.1% |
出典:JASSO 2024年度調査p.3。順位は2024年度の人数順。「上記10以外」は原表の「その他」に対応します。構成比・前年比は原人数から当サイトで計算しています。 [1]
米国・カナダは減少し、アジアの複数の留学先が増加
前年度に比べ、米国は890人減(−6.6%)、カナダは885人減(−11.6%)でした。一方、フィリピンは497人増(+15.5%)、中国は482人増(+15.4%)、タイは393人増(+8.9%)です。韓国は24人減(−0.3%)で、ほぼ同水準でした。
2024年度の上位10カ国・地域を固定すると、合計は62,858人で全体の69.0%です。総数が前年度から増えていても、留学先ごとの動きは一様ではありません。この集計だけでは、為替、費用、渡航条件、学校のプログラム数など、個々の要因の影響までは特定できません。
2018年度と比べると留学先ごとに回復水準が異なる
2024年度の上位10カ国・地域について、2018年度の人数を100として比較します。韓国は102.7で2018年度を上回りました。マレーシアは97.3、オーストラリアは92.9、米国は63.5、中国は45.3です。人数の大小と、コロナ前に対する水準は分けて見る必要があります。 [1][2]
単位:指数|各国・地域の2018年度=100|対象は2024年度の上位10
2024年度の上位10カ国・地域を固定して比較。100が2018年度と同じ人数。出典:2024年度調査p.3、2019年度調査p.2。指数は当サイト計算
| 国・地域 | 2018年度 | 2019年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2018年度=100 | 2019年度=100 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| アメリカ合衆国 | 19,891 | 18,138 | 13,517 | 12,627 | 63.5 | 69.6 |
| オーストラリア | 10,038 | 9,594 | 9,163 | 9,329 | 92.9 | 97.2 |
| 韓国 | 8,143 | 7,235 | 8,384 | 8,360 | 102.7 | 115.5 |
| カナダ | 10,035 | 9,324 | 7,621 | 6,736 | 67.1 | 72.2 |
| 英国 | 6,538 | 6,718 | 5,037 | 5,381 | 82.3 | 80.1 |
| 台湾 | 5,932 | 4,894 | 5,048 | 5,260 | 88.7 | 107.5 |
| タイ | 5,479 | 5,032 | 4,396 | 4,789 | 87.4 | 95.2 |
| フィリピン | 4,502 | 4,575 | 3,200 | 3,697 | 82.1 | 80.8 |
| 中国 | 7,980 | 6,184 | 3,133 | 3,615 | 45.3 | 58.5 |
| マレーシア | 3,150 | 3,461 | 2,712 | 3,064 | 97.3 | 88.5 |
| 上記10以外 | 33,458 | 32,191 | 26,968 | 28,196 | 84.3 | 87.6 |
| 合計 | 115,146 | 107,346 | 89,179 | 91,054 | 79.1 | 84.8 |
出典:2018・2019年度はJASSO 2019年度調査p.2、2023・2024年度は2024年度調査p.3。2024年度の掲載対象を固定した比較であり、2018年度の上位10を再現した表ではありません。2020〜2022年度の国別人数はこの表では省略し、値の推計や補間はしていません。 [1][2]
比較する年度によって評価が変わる例
台湾は2024年度5,260人で、2019年度比では107.5ですが、2018年度比では88.7です。韓国も2019年度比は115.5、2018年度比は102.7と異なります。「コロナ前を超えた」と表現する際は、どの年度と比較しているのかを示すことが大切です。
また、米国の構成比は2018年度の17.3%から2024年度の13.9%へ低下しました。韓国は7.1%から9.2%へ上昇しています。構成比は留学者総数を分母とするため、その変化を各国への人数の増減率と同一視しないようにします。
地域別ではアジアが4割を占め、欧州が北米を上回る
2024年度はアジア36,904人、欧州20,831人、北米19,363人、大洋州12,269人でした。欧州は前年度から1,306人増え、北米は1,775人減ったため、2023年度と2024年度で両地域の人数の順序が入れ替わっています。 [1]
単位:人|2018〜2024年度|全パネル共通の縦軸
4地域のグラフは同じ縦軸0〜50,000人で表示。全7年度の観測値を掲載。出典:JASSO各年度報告。直下の年次表と出典を参照
単位:人|2018〜2024年度|全パネル共通の縦軸
4地域のグラフは同じ縦軸0〜50,000人で表示。全7年度の観測値を掲載。出典:JASSO各年度報告。直下の年次表と出典を参照
単位:人|2018〜2024年度|全パネル共通の縦軸
4地域のグラフは同じ縦軸0〜50,000人で表示。全7年度の観測値を掲載。出典:JASSO各年度報告。直下の年次表と出典を参照
単位:人|2018〜2024年度|全パネル共通の縦軸
4地域のグラフは同じ縦軸0〜50,000人で表示。全7年度の観測値を掲載。出典:JASSO各年度報告。直下の年次表と出典を参照
| 地域 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| アジア | 45,407 | 40,836 | 417 | 1,647 | 16,453 | 34,503 | 36,904 |
| 欧州 | 24,115 | 24,176 | 312 | 3,881 | 14,034 | 19,525 | 20,831 |
| 北米 | 29,926 | 27,462 | 429 | 4,792 | 18,615 | 21,138 | 19,363 |
| 大洋州 | 13,279 | 12,661 | 141 | 332 | 7,591 | 12,034 | 12,269 |
| 中東 | 373 | 347 | 5 | 62 | 298 | 314 | 335 |
| アフリカ | 652 | 632 | 2 | 77 | 506 | 685 | 690 |
| 中南米 | 867 | 765 | 12 | 43 | 341 | 394 | 418 |
| その他 | 527 | 467 | 169 | 165 | 324 | 586 | 244 |
| 合計 | 115,146 | 107,346 | 1,487 | 10,999 | 58,162 | 89,179 | 91,054 |
出典:2018・2019年度は2019年度調査p.1、2020年度は2020年度調査p.1、2021・2022年度は2022年度調査p.2、2023・2024年度は2024年度調査p.2。2019年度資料の「ヨーロッパ」は「欧州」と表記を統一しました。「その他」は原資料の地域区分です。 [1][2][3][4]
構成比の変化と2018年度比を合わせて見る
| 地域 | 2018年度構成比 | 2024年度構成比 | 構成比の差 | 2024年度人数 | 2018年度=100 |
|---|---|---|---|---|---|
| アジア | 39.4% | 40.5% | +1.1pt | 36,904人 | 81.3 |
| 欧州 | 20.9% | 22.9% | +1.9pt | 20,831人 | 86.4 |
| 北米 | 26.0% | 21.3% | −4.7pt | 19,363人 | 64.7 |
| 大洋州 | 11.5% | 13.5% | +1.9pt | 12,269人 | 92.4 |
| 中東 | 0.3% | 0.4% | +0.0pt | 335人 | 89.8 |
| アフリカ | 0.6% | 0.8% | +0.2pt | 690人 | 105.8 |
| 中南米 | 0.8% | 0.5% | −0.3pt | 418人 | 48.2 |
| その他 | 0.5% | 0.3% | −0.2pt | 244人 | 46.3 |
構成比の分母は2018年度115,146人、2024年度91,054人。「pt」はパーセントポイントです。差は丸め前の構成比から計算しているため、表示値の単純差と0.1pt異なる場合があります。 [1][2]
アジアの構成比は39.4%から40.5%へ上がった一方、人数は2018年度の81.3%です。欧州も構成比は20.9%から22.9%へ上昇しましたが、人数は2018年度の86.4%にとどまります。構成比が上がった地域でも、留学人数そのものがコロナ前を超えたとは限りません。
北米の構成比は26.0%から21.3%へ低下し、人数は2018年度の64.7%です。大洋州は人数が2018年度の92.4%まで戻っています。2020・2021年度は総数が大きく落ち込んでいるため、その時期の構成比だけを見て通常時の留学先選好と解釈することにも注意が必要です。
留学業界の動向として活用する際の注意点
- 対象の違いをそろえる:この数値は国内の大学等が把握した学生の留学です。社会人の語学留学や高校留学などを含む事業者の顧客構成とは範囲が異なります。
- 人数と期間を切り分ける:短期プログラムも1人として集計されます。人数シェアから滞在月数、授業料総額、エージェントの売上シェアは推定できません。
- 国別の変化を理由まで断定しない:留学先人数の変化だけでは費用、政策、人気、学校側の事情を分離できません。原因を検討する際は別の資料が必要です。
- 他の統計と合算しない:JAOSの取扱人数や海外当局の在籍者数は対象・期間・数え方が異なり、重複する可能性もあります。
自社の留学先構成を比較する場合は、まず顧客の年代、学生・社会人の区分、留学期間、開始者数・申込者数などの数え方を確認します。本記事の構成比は、条件をそろえた比較のための参考値として利用できます。
集計方法と更新方針
- 確認日:2026年10月6日(日本時間)。JASSO公式資料を使用しています。
- 原数値:協定に基づく留学と基づかない留学の合計。人数は公式表の整数を採用しています。
- 国別比較:2024年度の上位10カ国・地域を固定。「上記10以外」は同じ10件を除いた人数であり、別の年の上位10表の「その他」と混ぜません。
- 欠測:公表表にない国や年度の値を0とみなさず、推計・補間もしません。対象のない年は明示して省略します。
- 計算:構成比=区分人数÷当年度総数×100。前年比=(当年度人数÷前年度人数−1)×100。比較指数=2024年度人数÷基準年度人数×100です。
- 表記:割合と指数は小数第1位。「ヨーロッパ」と「欧州」は表示を統一し、元データには原表の名称を残しています。
- 改訂:次回公表時は定義・区分・過年度修正を確認し、本文、表、グラフ、基礎データを同時に更新します。
資料の年度表記について:2024年度PDFの冒頭注3に「2023年度中」との記載があります。本記事は同PDFの表紙・本文の対象期間、および公式説明ページに基づき、2024年4月1日〜2025年3月31日の調査として扱います。 [1][6]
出典
- JASSO「2024年度日本人学生留学状況調査結果」
冊子p.2:地域別、p.3:国・地域別。括弧内の2023年度比較値を含む。確認日:2026年10月6日。ページ番号はPDF内の冊子番号。 - JASSO「2019年度日本人学生留学状況調査結果」
冊子p.1:地域別、p.2:国・地域別。括弧内の2018年度比較値を含む。確認日:2026年10月6日。ページ番号はPDF内の冊子番号。 - JASSO「2022年度日本人学生留学状況調査結果」
冊子p.2:地域別。括弧内の2021年度比較値を含む。確認日:2026年10月6日。ページ番号はPDF内の冊子番号。 - JASSO「2020年度日本人学生留学状況調査結果」
冊子p.1:地域別。確認日:2026年10月6日。ページ番号はPDF内の冊子番号。 - JASSO「日本人学生留学状況調査」一覧
調査の継続性と各年度結果へのリンク。確認日:2026年10月6日。ページ番号はPDF内の冊子番号。 - JASSO「2024年度日本人学生留学状況調査結果」公式説明
対象期間と現地での教育開始の定義。確認日:2026年10月6日。ページ番号はPDF内の冊子番号。
更新履歴
2026年10月6日:初版作成。2024年度の国・地域別人数、2018・2019年度との比較、2018〜2024年度の地域別推移を整理。

