調査基準日:2026年10月8日(日本時間)|対象:韓国法務部(出入国・外国人政策本部)が2026年10月7日に発表した「外国人留学生ビザ制度改善推進戦略(案)」と報道資料・Q&A。改善計画(推進課題)の発表です。今回の発表だけで、すべての制度変更が施行されたとは判断できません。法務部の原文(報道資料PDF・別添1・別添2)で確認
韓国法務部は2026年10月7日、官民合同の「外国人留学生ビザ制度改善協議会」(委員長:法務部次官)の5か月あまりの議論の結果として、留学生ビザ制度の改善課題を発表しました[1][2]。韓国語能力試験(TOPIK)4級以上の人は資金(財政能力)証明を免除すること、OECD加盟国の高校卒業者向けの「ギャップイヤー学生」トラック(仮称、D-2-8)の新設、卒業後の求職ビザ(D-10)の滞在期間を韓国語能力で差をつけることなどが含まれます[2][3][4]。
法務部が単独で改善できる課題は2026年下半期から順次実施し、影響が大きく関係省庁との協議が必要な課題は、省庁横断の協議体で具体化して進めるとしています[2][4]。別添の推進日程では、課題ごとに2026年下半期から2028年までの時期が示されています[3]。
この記事のポイント
- 入口:TOPIK4級(または社会統合プログラム4段階)以上なら、国籍・大学の認証の有無に関係なく資金証明を免除する計画(2026年下半期)。韓国語力のない「審査強化国」の学生には留学経費の保証金制度を広げる[2][3]
- 新しいビザ区分:優秀認証大学(4年制)が招くOECD加盟国の高校卒業者(卒業後2年以内)向けのギャップイヤー枠(2026年下半期)。日本はOECD加盟国[2][3][4][5]
- 在学中・卒業後:アルバイト(時間制就業)の許可要件を韓国語(社会統合プログラム3段階)と単位に整理し、1年の猶予後、2028年以降は韓国語の要件を満たさないとアルバイトができなくなる見通し。求職ビザD-10は韓国語要件を満たせば最長3年、満たさなければ最長2年に[3][4]
- エージェント関連:在外公館と連携した「海外留学院(留学エージェント)登録制」の試行、標準入学許可書へのエージェント情報の入力義務化[2][3]
変更内容の要点(現行と改善計画)
法務部は、国内の外国人留学生が2016年の約10万人から2026年8月には約35万人(D-2とD-4の合計で353,527人)に増えたとし、受け入れの「量」から「選別と成長」へ政策を転換する理由に挙げています[2][3]。
法務部の資料に「現行」として書かれている内容と、「改善」として示された計画を分けて整理します。「改善計画」の列はすべて予定で、確認時点では施行されていません[3]。
| 項目 | 現行(法務部資料の説明) | 改善計画 | 予定時期(別添1・Q&A) | 対象・例外 |
|---|---|---|---|---|
| 資金(財政能力)証明 | 認証大学を除く留学生は2,000万ウォン(首都圏以外は1,600万ウォン)の資金を証明[3] | TOPIK4級以上(または社会統合プログラム4段階)は国籍・認証大学かどうかに関係なく資金証明を免除(在学中を含む)[2][3] | 2026年下半期[3][4] | 在学中の延長時の免除は、社会統合プログラム4段階以上、または3段階以上で総長の推薦がある場合など(例示) |
| 留学経費の保証金制度 | 認証を受けていない大学に入学する一部の国の語学研修生に適用[3] | 韓国語能力のない「審査強化国」の学生に、大学の認証の有無に関係なく適用を拡大[2][3] | 2027年上半期から段階的に(別添1・Q&A Q2)。Q&A Q10の表には「2028年」との記載もある[3][4] | 対象国の一覧は資料に記載なし |
| ギャップイヤー学生 | —(新設) | 優秀認証大学(4年制)が招くOECD加盟国の高校卒業者(卒業後2年以内)にギャップイヤー用のビザを発給。報道資料では「(仮称)ギャップイヤー学生(D-2-8)トラック」[2][3] | 2026年下半期[3][4] | 短期留学(D-2-8)の体系改編も同時期の課題 |
| 時間制就業(アルバイト)の許可 | 要件が複雑(法務部の説明) | 許可要件を韓国語と単位に簡素化し、韓国語要件は社会統合プログラム3段階に強化。大学が出す「時間制就業確認書」による簡易処理へ[2][3] | 第1段階は2026年下半期、第2段階は2027年上半期。1年の猶予期間を置き、2028年以降は韓国語の成績がないとアルバイト不可に[3][4] | 観光宿泊業に限り時間制就業を例外的に認める案 |
| 求職ビザ(D-10) | 当初1年に加えて2回延長でき、最長3年[4] | 韓国語要件を満たす人は最長3年、満たさない人は最初の1年+6か月+6か月で最長2年[2][3][4] | 2027年上半期[3] | 理工系・地方の卒業生は要件を差をつけて優遇 |
| ビザ発給時の韓国語要件 | 韓国語・英語の基準は「ビザ審査強化大学」にだけ適用[3] | 猶予期間を経て、TOPIK4級(専門学士は3級)に強化し、学校独自の韓国語評価は認めない。対象を一般大学・認証大学へ段階的に拡大[3] | 2027年上半期[3] | 猶予期間の長さは資料に記載なし |
| 海外の留学エージェント | — | 在外公館と連携し、一定の要件を満たす現地の留学院を選んで公開・管理する「海外留学院登録制」を試行。標準入学許可書へのエージェント情報の入力を必須化[2][3] | 入学許可書への入力は2026年下半期、登録制は2027年下半期まで[3][4] | 試行予定の在外公館は5か所[3] |
| 帰国した卒業生のビザ | — | 韓国の学位を取って帰国した卒業生向けの複数回入国ビザ(仮称「同窓生訪問ビザ」)[2][3][4] | 2026年下半期(C-3-12)[4] | 名称・有効期間は資料ごとに異なる(下記参照) |
出典:法務部 報道資料[2]、別添1「外国人留学生ビザ制度改善推進戦略(案)」[3]、別添2「報道資料Q&A」[4]。「審査強化国」「優秀認証大学」などは法務部資料の用語を訳したものです。
そのほかの主な課題
- 週末・夜間・オンライン課程の管理:登校日を最小限にした課程や、不法就労が見つかった夜間・週末課程を運営する学科は、教育国際化力量認証を受けていてもビザ優遇を停止(2027年上半期)[2][3][4]
- 英語トラックの管理:必要性が認められる課程に限って留学ビザの対象に(2027年上半期)[3][4]
- 就職・定住ルート:理工系留学生の熟練技能人材(E-7)への転換、「K-TECH Master Visa」(仮称)の新設、地域特化ビザの再設計など[2][3]
- 行政体制:留学生ビザ・滞在支援センター(5か所)の設置、出入国管理法への留学生の章の新設(2027〜2028年)[2][3]
対象になる人と、資料で示されていないこと
| 論点 | 資料に書かれていること | 資料に書かれていないこと |
|---|---|---|
| 日本の学生 | ギャップイヤー枠はOECD加盟国の高校卒業者が対象と示されている[3]。日本はOECD加盟国[5] | 対象国の正式な一覧、出願方法、滞在期間、受け入れ大学の一覧 |
| TOPIK4級による資金証明の免除 | 国籍・大学の認証の有無に関係なく免除(在学中を含む)[3] | 免除が始まる具体的な日付、必要書類 |
| 保証金制度の対象国 | 不法滞在・就労の可能性が高い国など「重点管理が必要な場合」「審査強化国」[2][3] | 対象国の一覧は記載なし。日本が対象かどうかも書かれていない |
| 語学研修生(D-4) | 現行の保証金制度は一部の国の語学研修生に適用。法務部の統計上の「留学生」はD-2と一般研修(D-4-1・D-4-7)を合わせた数[3] | 各改善策が語学研修(D-4)にどう適用されるかは、課題ごとには示されていない |
| アルバイト | 韓国語要件(社会統合プログラム3段階)は1年の猶予後、2028年以降に本格適用の見通し[4] | TOPIKなど他の試験での代替の可否 |
本記事は法務部の発表資料を整理したもので、個別のビザ発給・アルバイト許可を保証するものではありません。
いつから適用されるか
法務部は、自ら改善できる課題は2026年下半期から順次実施し、制度改正が必要なものは課題ごとの詳細計画を作ってから施行するとしています。関係機関との協議が必要な課題は段階的に進める計画で、個別の日程表には2028年下半期の項目もあります[2][3]。
| 時期 | 主な課題 | 備考 |
|---|---|---|
| 2026年4月20日 | 官民合同の「外国人留学生ビザ制度改善協議会」発足[2] | 実務協議会を4回開催 |
| 2026年10月7日 | 協議会の活動終了と議論結果の発表[1][2] | 本記事の対象 |
| 2026年下半期 | 資金証明方法の多様化(TOPIK4級の免除など)、在学中の延長時の資金証明負担の緩和、ギャップイヤー学生ビザの新設、アルバイト許可要件の整備(第1段階)、入学許可書へのエージェント情報の入力、帰国卒業生の複数回訪問ビザ、地域ビザの再設計など[3][4] | 法務部が単独で実施できる課題(Q&A Q10の11項目) |
| 2027年上半期 | 保証金制度の拡大(段階的)、ビザ発給時の韓国語要件の強化、求職ビザD-10の期間の差別化、確認書によるアルバイト許可(第2段階)、週末・夜間・オンライン課程の管理強化[3][4] | 保証金制度はQ&A Q10の表で「2028年」とも記載 |
| 2027年下半期 | 海外留学院登録制、包括的な時間制就業許可の試行、出入国管理法の改正(留学生の章の新設)[3] | 関係省庁との協議が必要な課題を含む |
| 2028年 | アルバイトの韓国語要件の本格適用(猶予1年の後)、留学生ビザ・滞在支援センターの運営など[3][4] | — |
日付・時期はいずれも法務部資料に書かれた予定です。今回の発表資料では、個別の課題の具体的な施行日は示されていません。
資料ごとの表記・説明の違い
同じ日に公表された資料には、予定時期や仮称の表記、対象・有効期間の説明に違いがあります。どれか一つを確定条件として扱わず、施行時の公式案内で確認する必要があります。
| 論点 | 報道資料 | 別添1(推進戦略) | 別添2(Q&A) |
|---|---|---|---|
| 保証金制度の拡大時期 | 記載なし | 2027年上半期 | Q2は2027年上半期から段階的に、Q10の表は「2028年」 |
| 帰国卒業生ビザの名称 | (仮称)韓国留学同窓生訪問ビザ(Study Korea Alumni Visa) | (仮称)グローバル同窓生訪問ビザ(K-Global Alumni Visa)、有効期間3〜5年の短期複数ビザを検討 | 有効期間3・5・10年の複数ビザ。Q8は、帰国後に企業の管理職や政府の高官となった卒業生等に最長10年とする例を説明。Q10の表記はC-3-12 |
| 求職ビザD-10の期間 | 1〜3年に差をつける | 韓国語未充足は計2年、検証済みは計3年 | 同左(現行は最長3年) |
公式案内で確認しておきたいこと
- 法務部の報道資料(2026年10月7日):本文と添付ファイル(報道資料、別添1の推進戦略、別添2のQ&A)[1]
- 施行時の告示・案内:法務部やHiKorea(韓国法務部の外国人向け電子民願サイト)での個別の施行案内。今回の発表資料だけでは、各課題の具体的な施行日は確認できません
- 出願先の大学・在外公館:資金証明や韓国語要件の扱い、ギャップイヤー枠の受け入れ有無は、大学と駐日韓国大使館・総領事館の案内を確認してください
- OECD加盟国の一覧:ギャップイヤー枠の前提となる加盟国の確認[5]
本記事は法務部の発表資料を整理したもので、個別のビザ発給やアルバイト許可を保証するものではありません。
よくある疑問
- もうTOPIK4級があれば資金証明は不要ですか?
-
今回の発表だけで、すでに免除を利用できるとは判断できません。法務部は2026年下半期に実施する課題としていますが、発表資料に具体的な施行日は示されていません[3][4]。出願時は大学・在外公館の最新の案内に従ってください。
- 日本人もギャップイヤー枠を使えますか?
-
計画では、優秀認証大学(4年制)が招くOECD加盟国の高校卒業者(卒業後2年以内)が対象とされており、日本はOECD加盟国です[3][5]。ただし今回の発表資料には、対象国の正式な一覧や申請方法は示されていません。
- 日本は保証金制度の対象国ですか?
-
法務部の資料には対象国の一覧がなく、日本が含まれるかどうかは書かれていません。資料は「不法滞在・就労の可能性が高い国など重点管理が必要な場合」「韓国語能力のない審査強化国の学生」と説明しています[2][3]。
- 語学堂(語学研修、D-4)で留学する人も対象ですか?
-
資料では、各改善策が語学研修(D-4)にどう適用されるかは課題ごとに示されていません。現行の保証金制度は一部の国の語学研修生に適用されていると説明されています[3]。
- アルバイトにも韓国語の成績が必要になりますか?
-
計画ではそうなる見通しです。法務部は1年の猶予期間を置いたうえで、2028年以降は一定の韓国語の成績(例:社会統合プログラム3段階)がないとアルバイトできなくなると説明しています[4]。
- 卒業後の求職ビザ(D-10)はどう変わりますか?
-
法務部の説明では、現行は当初1年に加えて2回延長でき、最長3年です。計画では、韓国語要件を満たす人は最長3年、満たさない人は最長2年(1年+6か月+6か月)になります。予定時期は2027年上半期です[3][4]。
- 留学エージェントにはどんな影響がありますか?
-
大学が出す標準入学許可書に、仲介したエージェントの情報を入れることが必須になる計画です(2026年下半期)。また在外公館と連携して、要件を満たす現地の留学院を登録・公開する制度を試行するとしています(2027年下半期まで、試行予定5公館)[3]。
出典と更新履歴
- 韓国法務部「법무부, 외국인 유학생 40만명 시대를 대비하여 ‘유치’에서 ‘성장’으로 비자정책 전환 모색」(報道資料掲載ページ、作成日2026年10月7日、担当:滞留管理課)。確認日時:2026年10月8日 08:42〜08:43(日本時間)。添付4点(報道資料PDF・HWPX、別添1、別添2)の掲載を確認
- 韓国法務部 報道資料(PDF、2026年10月7日配布、5ページ)。確認日時:2026年10月8日 08:42〜08:43(日本時間)。協議会の経過、留学生数(2016年10万人→2026年8月35万人)、資金証明の免除、保証金制度、ギャップイヤー(D-2-8)、時間制就業、D-10、海外留学院登録制、実施時期(下半期から順次)(法務部の公式閲覧版)
- 韓国法務部 別添1「외국인 유학생 비자 제도개선 추진 전략(안)」(HWPX)。確認日時:2026年10月8日 08:42〜08:43(日本時間)。現行と改善の比較、課題ごとの推進日程(2026年下半期〜2028年)、留学生統計(2026年8月末353,527人、D-2とD-4の内訳)(法務部の公式閲覧版)
- 韓国法務部 別添2「외국인 유학생 비자제도 개선 보도자료 Q&A」(HWPX)。確認日時:2026年10月8日 08:42〜08:43(日本時間)。保証金制度の時期、アルバイトの韓国語要件(猶予1年、2028年以降)、D-10の現行と改善、帰国卒業生ビザ、下半期実施の11課題(法務部の公式閲覧版)
- OECD「Members and partners」。確認日時:2026年10月8日 09:00(日本時間)。加盟38か国に日本が含まれることを確認
本ページは記載した確認日時の資料に基づきます。用語の和訳は業界リサーチによるものです。具体的な施行日や申請条件は、法務部・在外公館の最新案内をご確認ください。
更新履歴
- 2026年10月8日:初版作成。法務部の報道資料・別添1・別添2の原文で確認し、計画段階であることを明記

