調査基準日:2026年10月9日|対象:英国内務省の月次統計「Monthly entry clearance visa applications, September 2026」(2026年10月8日公表・暫定値)の学生ビザ(Sponsored study)申請件数と、アイルランド移民局(ISD)ダブリンのビザ審査状況(2026年10月6日更新)
英国内務省(Home Office)は2026年10月8日、9月までのビザ申請の月次統計を公表しました。学生ビザ(Sponsored study)の主申請者による申請は2026年9月に71,600件で、前年同月(79,800件)より約10%少なく、データがある2022年以降の9月では最も少ない件数です。2025年10月〜2026年9月の12か月では352,500件で、前年の同じ期間より19%減りました[1][2]。
この数字はビザの「申請」の件数で、許可(発給)の件数ではありません。また、申請が減った理由は統計には示されていません。本記事では、公表された数字と、時期が重なる英国の制度変更、あわせてアイルランドの学生ビザ審査の状況を、公式資料の範囲で整理します。
この記事のポイント
- 9月の申請:主申請者71,600件。前年同月比約10%減で、2022年以降の9月で最少[2]
- 7〜9月の合計:230,300件。2025年(273,800件)より約16%、2022年(305,800件)より約25%少ない[2]
- 直近12か月:352,500件で前年同期比19%減。家族(dependants)の申請は15,700件で31%減[1]
- 制度変更との関係:家族帯同の制限(2024年1月〜)は施行済み。生活費の証明額の引き上げ(2026年11月30日申請分〜)とGraduate Routeの18か月化(2027年1月1日申請分〜)はこれから。統計は申請減の理由を示しておらず、内務省は制度変更を申請動向に影響する要因の一つとしています[1]
- アイルランド:ダブリンのビザ審査は、学生ビザ(Study)は2026年6月22日までにダブリンに届いた申請を審査中(10月6日更新)。日本国籍の人はアイルランドの入国ビザが不要な国籍に含まれています[5][6]
公表された数字の要点
内務省のデータ表(Monthly_Vis_01)から、学生ビザ(Sponsored study)の主申請者と家族(dependants)の申請件数を抜き出しました。数字はすべて100件単位で四捨五入された暫定値です[2]。
| 項目 | 2025年 | 2026年 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 9月の申請(主申請者) | 79,800件 | 71,600件 | −8,200件(約10%減) |
| 7〜9月の合計(主申請者) | 273,800件 | 230,300件 | −43,500件(約16%減) |
| 直近12か月(前年10月〜9月、主申請者) | 435,500件 | 352,500件 | −83,000件(19%減) |
| 9月の申請(家族) | 3,100件 | 1,800件 | −1,300件 |
| 直近12か月(前年10月〜9月、家族) | 22,700件 | 15,700件 | −7,000件(31%減) |
出典:内務省データ表[2]。7〜9月の合計と前年の12か月の件数は、データ表の月別の値を当サイトで合計したものです(月別の値が四捨五入済みのため、合計には誤差がありえます)。直近12か月の352,500件・19%減、家族15,700件・31%減は内務省の公表文の数字です[1]。増減率は当サイトで計算し、四捨五入しています。
各年9月の申請件数(2022〜2026年)

| 年 | 9月(主申請者) | 7〜9月の合計(主申請者) | 9月(家族) |
|---|---|---|---|
| 2022年 | 76,600件 | 305,800件 | 18,300件 |
| 2023年 | 83,600件 | 312,700件 | 22,600件 |
| 2024年 | 72,200件 | 268,700件 | 2,300件 |
| 2025年 | 79,800件 | 273,800件 | 3,100件 |
| 2026年 | 71,600件 | 230,300件 | 1,800件 |
出典:内務省データ表[2]。データ表は2022年1月以降の数字のため、「2022年以降の9月で最少」は2022〜2026年の5回の9月を比べた結果です。7〜9月の合計は当サイトで計算しました。
内務省によると、学生ビザの申請は新学年の前の8月に最も多くなり、12月に小さな山がある季節的な動きをします[1]。2026年8月の主申請者の申請は99,500件で、2025年8月(120,300件)より少なくなっていました[2]。
この統計の対象と対象外
| 数えているもの | 英国外からのビザ申請(entry clearance)の件数。許可・不許可の件数ではありません[1] |
|---|---|
| 学生ビザの区分 | Sponsored study(教育機関がスポンサーとなる学生ビザ)の主申請者と家族(dependants)[2] |
| 数字の性格 | 業務システムから取り出した暫定値で、後で変わることがあります。確定値は四半期の移民統計(Immigration system statistics)で公表されます[1][2] |
| 家族の申請 | 家族の申請は、それより前の月に申請した主申請者に関係するものも含みます[2] |
| この月次統計にないもの | 国籍別の内訳、英国内での延長・切り替えの申請、審査結果。日本からの申請件数はこの月次統計では分かりません |
時期が重なる英国の制度変更
英国では、留学生に関わる制度の変更が施行済みのものと、これから適用されるものがあります。申請の減少とこれらの変更の時期は重なっていますが、統計は申請が減った理由を示していません。内務省も、制度変更は申請の動向に影響する「さまざまな要因の一つ」と説明しています[1]。
| 時期 | 内容 | 状態 |
|---|---|---|
| 2024年1月1日以降に始まる課程 | 家族を帯同できる大学院生を、博士課程などの研究学位に限定(政府スポンサーの学生などを除く)[3]。内務省は、家族の申請はこの変更以降少ない水準が続き、2023年12月までの12か月と比べて89%少ないとしています[1] | 施行済み |
| 2026年11月30日以降の申請 | 生活費の証明額を引き上げ[7]。詳しくは英国学生ビザの生活費の証明額とGraduate Routeの記事をご覧ください | 適用予定 |
| 2027年1月1日以降の申請 | 卒業後の就労ビザ(Graduate visa)の期間が18か月に。2026年12月31日までの申請は2年、博士課程修了者は3年のまま[4] | 適用予定 |
上表の3つの変更のうち、2026年9月までに施行されているのは家族帯同の制限です。生活費の証明額の引き上げとGraduate visaの期間短縮は、まだ適用されていません。
アイルランド:ダブリンの学生ビザ審査は6月22日受付分まで
アイルランド移民局(Immigration Service Delivery、ISD)は、ダブリンのビザオフィスで審査中の申請を、ビザの種類ごとに「ダブリンに申請が届いた日付」で公表しています。2026年10月6日の更新では、学生ビザ(Study)は2026年6月22日までにダブリンに届いた申請、不服申し立て(appeal)は2025年10月6日までに届いたものが審査の段階にあります[5]。
| ビザの種類 | 審査中の申請(ダブリン到着日) | 審査中の不服申し立て(ダブリン到着日) |
|---|---|---|
| Study(学生) | 2026年6月22日 | 2025年10月6日 |
| Business(商用) | 2026年8月27日 | 2026年4月7日 |
| Employment(就労) | 2026年8月8日 | 2026年1月6日 |
| Tourism or visit a family/friend(観光・訪問) | 2025年10月7日 | 2025年9月2日 |
出典:ISD「Visa Decisions」[5]。この日付より前にダブリンに届いた申請が審査中という意味で、個別の審査期間や結果の時期を示すものではありません。
ISDは同じページで、次の点を案内しています[5]。
- 日付は毎週火曜日に更新されるが、手元の申請数が多いため、種類によっては日付が変わらないことがある
- 申請書類は、送ってから数日(ときには数週間)たってダブリンに届く
- 審査期間は年間を通じて変わり、学生ビザは新学年の前などに変わることがある
- ビザの決定を受け取る前に航空券を買わないよう勧めている。個々の申請が許可される保証はない
なお、アイルランド政府の一覧では、日本は入国ビザが不要な国籍(Non-Visa Required Nationalities)に含まれています[6]。ダブリンの審査状況は、アイルランドの入国ビザが必要な国籍の人の申請についてのものです。日本国籍の人が90日を超えて語学留学する場合の要件は、アイルランドの認定リスト「ILEP」とTrustEd Irelandへの移行の記事で整理しています。
公式案内で確認しておきたいこと
| 確認すること | 確認先 | 理由 |
|---|---|---|
| 自分の申請日に適用される生活費の証明額 | GOV.UK「Student visa」 | 2026年11月30日以降の申請から証明額が引き上げられる[7] |
| 卒業後にGraduate visaを申請する時期 | GOV.UK「Graduate visa」 | 2026年12月31日までの申請は2年、2027年1月1日以降は18か月[4] |
| 家族を帯同できる課程か | GOV.UK「Student visa: Your partner and children」 | 2024年1月1日以降に始まる大学院課程は、博士課程などの研究学位でないと原則帯同できない[3] |
| 次回の月次統計 | 内務省の統計ページ | 次回は2026年11月12日に更新予定[1] |
| アイルランドのビザ審査状況(ビザが必要な国籍の場合) | ISD「Visa Decisions」 | 毎週火曜日に更新。ダブリン以外のビザオフィスや大使館に申請した場合は、その窓口に確認する[5] |
本記事は公表資料の内容を整理したもので、個別のビザ申請の結果や審査期間を保証するものではありません。
よくある質問
- 71,600件は、ビザが許可された人数ですか?
-
いいえ。英国外から出された学生ビザの申請の件数(主申請者)で、許可の件数ではありません。暫定値で、確定値は四半期の移民統計で公表されます。
- 日本からの申請も減っていますか?
-
この月次統計には国籍別の内訳がないため、日本からの申請件数は分かりません。
- 申請が減ったのは制度変更のせいですか?
-
統計は理由を示していません。内務省は、制度変更は申請の動向に影響するさまざまな要因の一つと説明しています。生活費の証明額の引き上げとGraduate visaの期間短縮は、まだ適用されていません。
- Graduate visaはもう18か月になりましたか?
-
まだです。2026年12月31日までに申請すれば2年、2027年1月1日以降の申請は18か月です。博士課程などの修了者は3年です。
- 日本人がアイルランドに留学する場合も、ビザの審査を待つ必要がありますか?
-
アイルランド政府の一覧では、日本は入国ビザが不要な国籍に含まれています。ダブリンの審査状況は入国ビザが必要な国籍の人の申請についてのものです。日本国籍の人の滞在の手続きは、ISDの案内と当サイトのILEPの記事で確認してください。
出典と更新履歴
- 英国内務省「Monthly entry clearance visa applications, September 2026」(2026年10月8日公表)。確認日:2026年10月9日。直近12か月の学生ビザ申請(352,500件・19%減)、家族の申請(15,700件・31%減、2023年12月までの12か月比89%減)、季節的な動き、制度変更は要因の一つという説明、次回更新日。
- 同「Monthly entry clearance visa applications: data tables, September 2026」(ODS、表Monthly_Vis_01)。確認日:2026年10月9日。2022年1月〜2026年9月の月別申請件数(Sponsored study – Main applicants/Dependants)、注記(暫定値、100件単位の四捨五入)。
- GOV.UK「Student visa: Your partner and children」。確認日:2026年10月9日。家族を帯同できる学生の条件(2024年1月1日以降に始まる大学院課程)。
- GOV.UK「Graduate visa」。確認日:2026年10月9日。期間(2026年12月31日までの申請は2年、2027年1月1日以降は18か月、博士課程は3年)。
- アイルランド移民局(ISD)「Visa Decisions」(2026年10月6日更新)。確認日:2026年10月9日。ダブリンのビザオフィスで審査中の申請・不服申し立ての到着日、更新頻度、審査期間に関する注意。
- アイルランド政府「Visa & Non-Visa Required Nationalities」(2025年5月12日更新)。確認日:2026年10月9日。日本はNon-Visa Required Nationalitiesに記載。
- 英国内務省「Statement of changes to the Immigration Rules: HC 584, 3 September 2026」。確認日:2026年10月9日。実施条項とAPP ST8〜10により、2026年11月30日以降の申請に生活費の証明額引き上げが適用されることを確認。
統計や案内の表示は調査後に変わることがあります。本ページは記載した確認日の資料に基づきます。
更新履歴
- 2026年10月9日:初版作成。英国内務省の2026年9月分の月次統計(10月8日公表)とISDの審査状況(10月6日更新)を反映。
- 2026年10月9日:公式統計表の数値を再検算。生活費の証明額引き上げの一次出典を追加し、制度変更の注記を明確化して公開。

