調査基準日:2026年10月8日(日本時間)|対象:オーストラリアの職業教育(VET)課程「BSB80120 Graduate Diploma of Management (Learning)」(GDML)。ESOS法第96B条に基づく告示(F2026L01160)による、留学生向けCRICOS登録の自動停止・取消し。コースの登録の停止・取消しであり、学校の閉校ではありません
オーストラリア政府は2026年9月4日、職業教育(VET)の課程「BSB80120 Graduate Diploma of Management (Learning)」(GDML)を、留学生向けの登録(CRICOS)の自動停止・取消しの対象にすると発表しました[1][3]。2026年10月5日から、教育機関はGDMLについて新しい入学確認書(CoE)を出せず、留学生を新たに入学・開始させることもできなくなりました[1][2]。
10月5日より前にGDMLを始めていなかった学生のCoEは自動的に取り消され、すでに学び始めていた学生は原則として修了まで続けられます[1][2]。コースの変更で教育機関側の履行不能(provider default)が生じた場合、教育機関は14日以内に代わりのコースの提示か、未使用の授業料の返金を行う必要があります[2]。
この記事のポイント
- 10月5日から新規受け入れ停止:新しいCoEの発行、新規入学、未開始の学生の開始がすべて不可。オファーやCoEを持っていても開始できない[1][2]
- 開始済み学生には経過措置:10月5日より前に開始していた留学生は原則として修了まで学べる。国内学生への提供は影響なし[1][2]
- 返金・代替コース:provider defaultの場合、教育機関は14日以内に代替コース(学生の書面同意が必要)か未使用授業料の返金。対応がなければ授業料保護サービス(TPS)が支援する場合がある[2][5]
- 新しい権限の初適用:2025年11月に成立した制度改正による、コース取消し権限の初めての使用[3]
10月1日の大臣発表は、開始済み学生の継続について、制度の適正性に関する違反が確認されないことを条件に挙げています。開始日の前倒しや実態を伴わない入学で、学生ビザの条件を回避できるわけではありません[6]。
変更内容の要点
| 項目 | 変更前 | 10月5日以降 | 適用日 | 対象・例外 |
|---|---|---|---|---|
| 新しいCoEの発行 | 可能 | 発行できない[1][2] | 2026年10月5日 | 告示の対象となる登録VET機関の全拠点(Table A機関は対象外)[4][5] |
| 新規入学・コースの開始 | 可能 | 留学生の新規入学・未開始の学生の開始はできない。オファーやCoEがあっても同じ[1][2] | 2026年10月5日 | 国内学生への提供は影響なし[1] |
| 未開始のCoE | 有効 | 自動的に取消し[1][2] | 2026年10月5日 | 10月5日より前にGDMLを開始していない学生 |
| 開始済みの学生 | 在学 | 原則として修了または退学まで学習を続けられる[1][2][5] | — | 10月5日より前に入学・開始していた留学生 |
| 教育機関のCRICOS登録 | 登録あり | 開始済みの留学生がいない機関は自動取消し。いる機関は自動停止し、全員が修了・退学した時点で全拠点で取消し[1][5] | 2026年10月5日(告示の施行から30日後) | 告示が有効な間は、GDMLの登録・更新・追加の申請はできない[1][5] |
| 大学(Table A機関) | — | 対象外。高等教育支援法上のTable A機関がVET機関として登録している場合も告示は適用されない[5] | — | — |
出典:ASQA[1]、Study Australia[2]、告示F2026L01160[4]、説明書(Explanatory Statement)[5]。CoEは、教育機関が留学生に発行し、学生ビザ申請に添付する入学確認書です[5]。
対象になる人と状況別の扱い
| 状況(10月5日時点) | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| GDMLに入学し、開始していた留学生 | 開始済み学生には経過措置がある。10月1日の大臣発表は、制度の適正性に関する違反が確認されない場合に修了できる可能性があると説明。学生ビザの条件も引き続き適用[6] | [1][2][3] |
| オファーやCoEはあるが、開始していなかった留学生 | 開始できない。CoEは10月5日に自動で取消し。教育機関に選択肢を確認する | [1][2] |
| パッケージ(複数コースの組み合わせ)にGDMLが含まれていた人 | パッケージ内の他のコースは続けられる場合がある。影響は教育機関が説明する | [2] |
| これからGDMLに出願しようとしていた人 | 告示の対象となる登録VET機関では、新規入学・CoE発行はできない。Table A機関は対象外。代替コースは教育機関に確認する | [1][2] |
| 国内学生 | 影響なし | [1] |
個別の学生ビザの扱いについて、公式案内は内務省(Department of Home Affairs)の情報を確認するか、MARA登録の移民エージェントに相談するよう案内しています。本記事は個別のビザや返金を保証するものではありません。
返金と代替コース
Study Australiaの案内によると、GDMLを開始できない学生は、まず教育機関に選択肢を確認します。この変更で教育機関側の履行不能(provider default)が生じた場合、教育機関は14日以内に、学生が書面で受け入れる適切な代替コースを提示するか、未使用の授業料を返金しなければなりません[2]。教育機関がこの義務を果たさない場合は、授業料保護サービス(Tuition Protection Service、TPS)が支援する場合があります[2][5]。
代わりのコースを選ぶときは、学習の目的に合い、学生ビザの要件(関係するAQFレベルの要件を含む)を満たすコースを検討するよう、政府はエージェント向けに案内しています[2]。説明書は、経営・商学分野にはCertificate IからMastersまで約6,000のコースがあると説明しています[5]。
いつから適用されるか
| 日付 | 出来事 | 備考 |
|---|---|---|
| 2025年11月 | コースを指定して自動停止・取消しできる権限を含む制度改正が成立[3] | 今回が初めての使用 |
| 2026年9月3日 | 国際教育担当次官補(Assistant Minister)ジュリアン・ヒル氏が告示に署名[4] | — |
| 2026年9月4日 | 告示を連邦法令登録簿に登録(F2026L01160)。大臣の発表とASQAの告知[1][3][4] | — |
| 2026年9月5日 | 告示の施行(登録の翌日)[4][5] | — |
| 2026年10月2日 | Study Australiaがエージェント向けの案内を掲載[2] | — |
| 2026年10月5日 | 新規CoE発行・新規入学・未開始の学生の開始を停止。未開始のCoEを自動取消し。教育機関の登録を自動停止または取消し[1][2] | 告示施行の30日後 |
| 開始済みの学生が全員修了・退学した時点 | その教育機関のGDMLの登録を全拠点で自動取消し[1][5] | 機関ごとに異なる |
政府が示した理由と規模
告示の説明書は、GDMLについて、留学生の入学の急増、高い未開始率、比較的低い修了率、学生ビザで滞在中の学生による国内でのコース変更(オンショアでの転校・転科)の多さ、高いビザ不許可率、パッケージでの多用を挙げ、真の学習以外の目的で使われているおそれがあると説明しています[5]。
| 項目 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 留学生向けにGDMLを登録しているVET機関 | 452機関 | [3] |
| GDMLの有効なCoE | 41,033件 | [3] |
| うち、在学中と記録されている学生 | 15,772人 | [3] |
国籍別の内訳は、確認した公式資料には掲載されていません。
日本からの留学との関係
確認した公式資料には国籍別のデータがなく、日本人学生への影響の大きさは分かりません。GDMLの取消しは特定の1コースの留学生向け登録に関する措置で、そのコースを提供していた学校の閉校を意味するものではありません[1][5]。
- VETのパッケージで出願・準備していた人:GDMLがパッケージに含まれていないか、教育機関に確認が必要です[2]
- オーストラリア国内でコースを変更・延長する予定の人:2026年10月2日からは、学生ビザの国内申請や家族帯同のルールも変わっています。詳しくは学生ビザの国内申請制限と家族帯同の記事で整理しています
- 学生ビザ全体の動き:野党連合の公約は野党連合の移民計画の記事で整理しています
公式案内で確認しておきたいこと
- ASQAの告知:教育機関の義務(学生への通知、代替コース・返金、エージェントへの説明)[1]
- Study Australiaの案内:影響を受ける学生の状況別の扱い、14日以内の対応、TPS[2]
- 連邦法令登録簿の告示と説明書:対象コースの特定(VET National Code BSB80120)、施行日、Table A機関の除外[4][5]
- 教育省(Department of Education)のファクトシート:ASQAが学生への配布を求めている資料です
- 内務省(Department of Home Affairs):学生ビザへの影響は内務省の情報か、MARA登録の移民エージェントで確認
本記事は公表資料の内容を整理したもので、個別のビザ・返金・入学を保証するものではありません。
よくある疑問
- GDMLを提供していた学校は閉校したのですか?
-
いいえ。今回の措置は、GDMLという1つのコースの留学生向け登録(CRICOS)を停止・取り消すものです。学校の閉校や破産を意味するものではありません[1][5]。
- 10月5日より前にCoEを受け取っていましたが、入学できますか?
-
GDMLを10月5日より前に開始していなければ、開始できません。CoEは10月5日に自動で取り消されました[1][2]。教育機関に代替コースや返金の選択肢を確認してください。
- すでにGDMLで勉強中です。続けられますか?
-
10月5日より前に入学・開始していた留学生には、今の教育機関で学習を続けられる経過措置があります[1][2]。ただし、10月1日の大臣発表は、制度の適正性に関する違反が確認されない場合に修了できる可能性があると説明しています。学生ビザの条件も引き続き守る必要があります[6]。
- 授業料は返ってきますか?
-
この変更で教育機関側の履行不能(provider default)が生じた場合、教育機関は14日以内に、書面で同意する代替コースの提示か、未使用の授業料の返金を行う必要があります。対応されない場合はTPSが支援する場合があります[2]。
- パッケージで他のコースも申し込んでいた場合はどうなりますか?
-
パッケージ内の他のコースは続けられる場合があります。自分の学習計画への影響は教育機関に確認するよう案内されています[2]。
出典と更新履歴
- ASQA「Cancellation under ESOS Act of BSB80120 Graduate Diploma of Management (Learning)」(2026年9月4日)。確認日時:2026年10月8日 08:43〜08:50(日本時間)。10月5日からのCoE発行・新規入学・開始の停止、未開始CoEの自動取消し、機関の登録の停止・取消し、国内学生は影響なし、機関の義務
- Study Australia「Changes to BSB80120 Graduate Diploma of Management (Learning)」(2026年10月2日)。確認日時:2026年10月8日 08:43〜08:50(日本時間)。状況別の扱い、provider default時の14日以内の代替コース・返金、TPS、パッケージ、AQFレベル要件の確認
- 国際教育担当次官補 ジュリアン・ヒル「Graduate Diploma course cancelled for international students」(2026年9月4日)。確認日時:2026年10月8日 08:43〜08:50(日本時間)。新しいコース取消し権限の初使用、452機関・有効CoE 41,033件・在学15,772人、2025年11月成立の制度改正
- 連邦法令登録簿「Education Services for Overseas Students (Specified Classes of Courses for Automatic Suspension and Cancellation) Instrument 2026」(F2026L01160、2026年9月3日署名、9月4日登録)。確認日時:2026年10月8日 08:43〜08:50(日本時間)。対象はVET National Code「BSB80120」・コース名「Graduate Diploma of Management (Learning)」、登録の翌日に施行
- 連邦法令登録簿「Explanatory Statement」(F2026L01160)。確認日時:2026年10月8日 08:43〜08:50(日本時間)。施行30日後の自動停止・取消し、Table A機関の除外、理由、TPS、代替コースの数。なお説明書の第5条の解説にはコード「BSB81020」との表記があるが、告示本文は「BSB80120」
- 国際教育担当次官補 ジュリアン・ヒル「International VET providers and students on notice following first use of new course cancellation powers」。確認日時:2026年10月8日(日本時間)。開始済み学生の継続に関する制度の適正性条件、学生ビザ条件の継続
- 教育省「Student fact sheet: Graduate Diploma of Management (Learning) course cancellation」。確認日時:2026年10月8日(日本時間)。学生向けの経過措置、新規入学・CoE、代替コース・返金の案内
本ページは記載した確認日時の資料に基づきます。教育省の学生向けファクトシートを取得・確認し、出典[7]に追加しています。
更新履歴
- 2026年10月8日:初版作成。告示・説明書・ASQA・Study Australia・大臣発表で確認

