調査基準日:2026年10月9日|対象:オーストラリアで学生ビザを持って学ぶ留学生の転校(教育機関の変更)に関する規範「National Code」Standard 7の改正と、今後予定される学生ビザの「Transfer stream」
オーストラリア政府は、教育機関が留学生の受け入れで守る規範「National Code」を改正し、2026年10月2日から、小中高などのschool sectorを除く留学生が別の教育機関へ移る(転校する)ことを、今の教育機関で主たる課程を12か月修了するまで原則として制限しました。改正前の制限期間は6か月で、2027年7月1日に6か月へ戻る一時的な措置です[1][2]。
また、豪州政府の留学情報サイトStudy Australiaは10月7日、教育機関を変える学生ビザ保持者に、新しく設ける「Transfer stream」での学生ビザ申請を求める予定だと案内しました。政府は10月2日の発表で2027年7月1日導入予定と明示していますが、まだ始まっていません[7]。具体的な申請手続き等は引き続き公式案内の確認が必要です[4]。本記事では、日本からの留学生にとって、だれが・いつ・どんな場合に影響を受けるのかを整理します。
この記事のポイント
- 施行済み:小中高などのschool sectorを除き、2026年10月2日〜2027年6月30日は、主たる課程を12か月以上修了していない留学生を、転校先の教育機関は原則として受け入れられない(改正前は6か月)[1][2][3]
- 2027年7月1日から:制限期間は6か月に戻る[1][2]
- 例外:今の教育機関が転校を認めた(release)場合、教育機関や課程の登録がなくなった場合、規制当局の制裁で続けられない場合、政府スポンサーが書面で支持した場合[1][3]
- 在学中の人も対象:学校部門以外では、10月2日時点で6か月以上12か月未満だった人も原則として再び制限される。施行前に転校先が入学を受け入れ済みの場合は別途説明あり[8][2]
- 予定・未施行:転校時の新しい学生ビザ「Transfer stream」。2027年7月1日導入予定と政府発表。具体的な申請手続き等は今後の公式案内を確認[7][4]
変更内容の要点
転校の制限は、学生ビザの規則ではなく、留学生を受け入れる教育機関の義務として定められています。転校先の教育機関が、制限期間中の留学生を「知りながら入学させてはならない」という形です[1][3]。
| 項目 | 改正前 | 2026年10月2日〜2027年6月30日 | 2027年7月1日から |
|---|---|---|---|
| 転校が制限される期間(学校以外の教育機関) | 主たる課程の最初の6か月 | 主たる課程を12か月以上修了するまで | 主たる課程を6か月以上修了するまで |
| 学校(初等・中等教育)からの転校 | 最初の学校課程の最初の6か月 | 変更なし | 変更なし |
| 制限期間中に転校できる例外 | 今の教育機関のrelease、登録の終了、制裁、政府スポンサーの書面での支持 | 同じ例外を維持 | 同じ例外を維持 |
| 転校時の学生ビザ | — | 変更なし(Transfer streamは予定段階) | Transfer streamを7月1日に導入予定と政府発表。未施行で、具体的な申請手続き等は今後確認[7][4] |
出典:改正告示(F2026L01351)[1]、説明書[2]、ASQA[3]、Study Australia[4]。「学校以外の教育機関」には、大学、専門学校などの職業教育(VET)機関、語学学校(ELICOS)が含まれます。
「主たる課程(principal course)」とは
12か月は、今の教育機関での「主たる課程」の修了期間で数えます。職業教育(VET)と語学学校(ELICOS)を監督するASQAは、主たる課程を「留学生が学ぶ主な課程」とし、学生ビザが複数の課程(パッケージ)に対して出ている場合は、通常は最後の課程(最も高い資格)になると説明しています[1][3]。語学コースと専門課程などを組み合わせたパッケージの場合、どの課程が主たる課程に当たり、いつから数えるかは、在籍先とCoE(入学許可証)で確認してください。
対象になる人
12か月への延長の対象は、小中高などのschool sectorを除き、オーストラリアで学生ビザを持って学ぶ留学生(overseas student)が、別の教育機関へ移る場合です[1][3]。日本からの留学では、次のような人が影響を受けます。
- 語学学校(ELICOS)に学生ビザで通っていて、別の語学学校に移りたい人
- 専門学校(VET)や大学に入ったあと、別の教育機関の課程に移りたい人
- 語学コースと専門課程・大学などのパッケージで入学したあと、パッケージ外の教育機関に移りたい人
- 留学エージェントや知人から、入学後すぐの転校を勧められている人(ASQAは、他校で学び始めた留学生の勧誘について、教育機関がエージェントに手数料を払うことを原則として認めていません[3])
同じ教育機関の中で課程を変える場合や、ワーキングホリデーなど学生ビザ以外で通学している場合の扱いは、この改正の条文には書かれていません。在籍先に確認してください。なお、学生ビザを新しく申請し直す必要がある場合、2026年10月2日からは国内での申請自体が原則制限されています。詳しくはオーストラリア学生ビザの国内申請・家族帯同の制限の記事をご覧ください[5][6]。
すでに在学中の人への適用
改正告示そのものには、在学中の留学生だけを対象にした経過措置の規定はありません[1]。改正の説明書(Explanatory Statement)は、制限は転校しようとする時点で判断されるとして、学校部門以外の留学生について次のように説明しています[2]。
教育省の機関向けファクトシートによると、10月2日の施行前に転校先がすでに入学を受け入れていた場合、新Standard 7.1の違反にはなりません。勧誘や申込手続き中でも、まだ受け入れ前だった場合は、新たな12か月制限に当たるか確認が必要です[8]。小中高などのschool sectorは今回の延長の対象外で、最初の学校課程の6か月という扱いは変わりません[9]。
| 10月2日時点の主たる課程の在学期間 | 扱い |
|---|---|
| 6か月未満 | 改正前と同様に制限の対象。2027年6月30日までは通算12か月まで制限 |
| 6か月以上12か月未満 | 改正前は転校できた時期でも、再び制限の対象になり、通算12か月まで制限(2027年7月1日より前に12か月に達する場合) |
| 12か月以上 | 影響を受けない |
2027年7月1日以降は制限期間が6か月に戻るため、その時点で6か月以上修了している人は制限の対象から外れます[2]。
いつから・いつまで
| 日付 | 出来事 | 状態 |
|---|---|---|
| 2026年9月17日 | 移民大臣が学生ビザ制度の改正を発表[2] | 発表 |
| 2026年9月25日 | 国際教育担当副大臣(Assistant Minister)が、国際教育評議会のメンバーと協議[2] | 協議 |
| 2026年10月1日 | 改正告示(F2026L01351)を連邦法令登録簿に登録[1] | 登録 |
| 2026年10月2日 | 転校の制限期間が12か月に。同日、学生ビザの国内申請・家族帯同の制限も施行[1][5] | 施行済み |
| 2026年10月7日 | Study Australiaが、Transfer streamの導入予定を案内[4] | 予定の公表 |
| 2027年6月30日 | 12か月の制限期間が適用される最終日 | 規定済み |
| 2027年7月1日 | 制限期間が6か月に戻る[1][2] | 規定済み |
| 2027年7月1日(導入予定) | Transfer streamを導入し、転校先で学習を始める前に新しいビザの許可を得る制度を予定[7] | 政府発表・未施行 |
制限期間中でも転校できる場合
次のいずれかに当たる場合は、制限期間中でも転校先が受け入れることができます。例外の内容は改正前と同じです[1][2][3]。
- 今の教育機関が転校を認め(release)、その日付と理由を政府のシステム(PRISMS)に記録した場合[1]
- 今の教育機関、または在籍している課程の登録がなくなった場合[1]
- 規制当局(ESOS agency)の制裁で、今の教育機関で課程を続けられない場合[1]
- 政府などのスポンサーが、転校を本人のためになると判断し、書面で支持した場合[1]
releaseについて、ASQAは教育機関に、転校の申請を評価する方針を文書で定めて学生に公開すること、許可に費用を請求しないこと、拒否する場合は理由を書面で示して不服申し立ての権利を伝えることを求めています。方針には、転校先からの正式な入学許可(valid enrolment offer)が必要なことも書くよう求めています。18歳未満の場合は、保護者の書面での同意が必要です[3]。説明書は、制限期間中に転校したい学生には、いったんオーストラリアを出て国外から新しい学生ビザを申請する選択肢もあると説明しています[2]。
Transfer streamの導入予定と今後の確認事項
- Transfer streamの具体的な申請料・手続きなど。Study Australiaは詳細を検討中としています[4]
- 政府は2027年7月1日導入予定と発表していますが、2026年10月9日時点では未施行です。発表された予定と、今後定められる具体的な申請要件・手続きは区別して確認してください[7]
- 転校制限については、教育省の機関向け・学生向けファクトシートを確認できます。施行前の転校受け入れ済み案件や、在学期間別の例も案内されています[8][9]
- 各教育機関がどのような場合にreleaseを認めるかは、教育機関ごとの方針によります
公式案内で確認しておきたいこと
転校を考えている場合は、手続きを進める前に次の点を確認してください。
| 確認すること | 確認先 | 理由 |
|---|---|---|
| 自分の主たる課程と開始日、修了した月数 | CoE(入学許可証)・在籍先 | 12か月(2027年7月1日からは6か月)を数える基準になる[1][3] |
| 今の教育機関の転校方針と、release申請の手順・判断の目安・回答までの期間 | 今の教育機関 | 制限期間中はreleaseがないと原則として転校できない[1][3] |
| 転校先の正式な入学許可(valid enrolment offer) | 転校先の教育機関 | release申請の前提になる[3] |
| 転校に合わせて新しい学生ビザが必要か | 教育機関・内務省の案内・登録移民エージェント(MARA) | 必要な場合、10月2日から国内申請は原則制限されている[5][6] |
| 転校の時期がTransfer streamの導入後になるか | Study Australia・内務省の発表 | 2027年7月1日導入予定。転校先で学習を始める前に新ビザの許可が必要になる予定[7] |
Study Australiaは、教育機関や課程の変更を考えている場合は公式の要件を確認し、必要に応じて登録移民エージェント(MARA)に相談するよう案内しています[4]。本記事は公表資料の内容を整理したもので、個別の手続きについての助言ではありません。
よくある質問
- 語学学校に学生ビザで3か月通っています。別の語学学校に移れますか?
-
2027年6月30日までは、主たる課程を12か月以上修了していない場合、今の学校が転校を認める(release)などの例外がない限り、転校先は受け入れできません。まず今の学校の転校方針を確認してください。
- 10月2日より前に入学して8か月たちます。改正前なら転校できたはずですが?
-
学校部門以外では、主たる課程を6か月以上12か月未満修了していた人も10月2日から原則として再び制限されます。ただし、施行前に転校先が入学を受け入れ済みだった場合は、新Standard 7.1の違反にはならないと教育省は説明しています。2027年7月1日以降は6か月に戻るため、制限の対象から外れます。
- 12か月たてば自由に転校できますか?
-
主たる課程を12か月以上修了していれば、転校先は例外に当たらなくても受け入れできます。ただし、新しい学生ビザが必要になるかは別に確認が必要です。Transfer streamは2027年7月1日導入予定と発表されており、転校先で学習を始める前に新ビザの許可が必要になる予定です。
- 今の学校が転校を認めてくれない場合はどうなりますか?
-
ASQAは、教育機関が拒否する場合は理由を書面で示し、学生に不服申し立ての権利を伝えるよう求めています。教育機関の不服申し立ての手続きを確認してください。
出典と更新履歴
- 連邦法令登録簿「National Code of Practice for Providers of Education and Training to Overseas Students Amendment (Overseas Student Transfers) Instrument 2026」(F2026L01351、2026年10月1日登録、10月2日施行)。確認日:2026年10月9日。Standard 7.1・7.1A・7.2。
- 同上の説明書(Explanatory Statement)。確認日:2026年10月9日。改正の目的、在学中の留学生への適用例(項目7〜9)、協議の経緯、関連する制度改正の時期、国外からの申請の選択肢。
- ASQA「Student transfers」(2026年10月2日更新)。確認日:2026年10月9日。主たる課程の説明、releaseでの教育機関の義務、エージェントへの手数料、18歳未満の扱い。
- Study Australia「Student visa application changes: October 2026 update」(2026年10月7日)。確認日:2026年10月9日。Transfer streamの予定、公式要件の確認・登録移民エージェントへの相談の案内。
- 連邦法令登録簿「Migration Amendment (Student Visa Reform) Regulations 2026」(F2026L01347、2026年10月2日施行)。確認日:2026年10月9日。学生ビザの国内申請の制限。
- 連邦法令登録簿「Migration (LIN 20/158: Class of Persons for Student (Temporary) (Class TU) Visa Applications) Amendment Instrument 2026」(LIN 26/087、F2026L01349)。確認日:2026年10月9日。国内申請の例外。
- 教育担当副大臣「Student visa integrity reforms take effect today」(2026年10月2日)。確認日:2026年10月9日。Transfer streamの2027年7月1日導入予定と、新ビザ許可後の転校先での学習開始。
- 教育省「Extension of the overseas student transfer restriction period to 12 months – For providers」(2026年10月2日)。確認日:2026年10月9日。学校部門の除外、施行前の転校受け入れ済み案件と受け入れ前の区別。
- 教育省「Extension of the overseas student transfer restriction period to 12 months – For students」(2026年10月2日)。確認日:2026年10月9日。在学生への適用例、学校部門の扱い。
規則や案内の表示は調査後に変わることがあります。本ページは記載した確認日の資料に基づきます。
更新履歴
- 2026年10月9日:初版作成。同日、公式資料を照合し、小中高などのschool sectorの除外、施行前の転校受け入れ済み案件、Transfer streamの2027年7月1日導入予定を本文・表・FAQに反映。

